私の平穏な日常に異変が起きたのは、ある秋の夜のことでした。寝室で静かに本を読んでいると、天井裏から「パラパラ…」「カリカリ…」という、何か小さな生き物が動き回るような音が聞こえてきたのです。最初は気のせいかと思いましたが、その音は毎晩のように続き、私の眠りを妨げるようになりました。そして、決定的な出来事が起こります。ある朝、キッチンのコンロの隅に、数粒の黒い米粒のようなものを見つけたのです。直感的に「これは、あの音の主の仕業だ」と感じました。インターネットで恐る恐る調べてみると、その正体はクマネズミの糞である可能性が高いことがわかりました。そして、そこからリンクをたどるうちに、ねずみの糞が媒介する様々な病気の恐ろしさを知ることになったのです。サルモネラ症、レプトスピラ症、そしてハンタウイルス…。記事を読めば読むほど、あの黒い粒が、ただの汚れではなく、家族の健康を脅かす時限爆弾のように思えてきました。私はすぐに行動を開始しました。まず、ネットで調べた安全な掃除方法に則り、N95マスクとゴム手袋、ゴーグルという物々しい格好で、キッチンの糞を塩素系漂白剤で消毒し、慎重に処理しました。しかし、問題は天井裏です。そこは、まさに病原体の巣窟と化しているかもしれないのです。私は家の周りを点検し、エアコンの配管を通す壁の隙間や、換気扇のフードの破損など、ねずみが侵入できそうな場所をいくつも見つけました。それを金網やパテで必死に塞ぎましたが、天井裏の音は止みません。自分での対策には限界があると悟った私は、最終的にプロの害獣駆除業者に依頼することにしました。業者の方の調査で、私の家の天井裏は、やはりクマネズミの巣になっていたことが判明しました。徹底的な駆除と清掃、消毒作業をしてもらい、ようやく天井からの物音は消え、私は心からの安堵を得ることができました。この経験を通じて、ねずみの糞一粒の背後にあるリスクの大きさと、問題解決には専門家の力が必要な場合があることを痛感したのです。
天井裏からパラパラと音が…私がねずみの糞と格闘した日々