専門業者に依頼する前に、まずは自分でネズミ駆除を試みたい、と考える方も多いでしょう。市販されている駆除グッズを正しく、そして戦略的に使用すれば、個人でもある程度の効果を期待することは可能です。ここでは、代表的な駆除方法である「粘着シート」と「毒餌(殺鼠剤)」の、効果を最大限に引き出すための正しい使い方と、その注意点を解説します。まず、最も手軽で、多くの人が最初に試すのが「粘着シート」です。これは、強力な粘着剤が塗られたシートの上をネズミが通ることで、身動きを取れなくして捕獲するという、物理的な罠です。この方法の最大のメリットは、ネズミがどこで死んだかが一目瞭然であるため、死骸が家の見えない場所で腐敗するのを防げる点です。効果を高めるための最大のポイントは、「設置場所」と「設置枚数」です。ラットサイン(フンやこすり跡)を頼りに、ネズミが頻繁に通る壁際や、通路が狭くなっている場所、巣穴の近くなどに、隙間なく、そして大量に敷き詰めることが重要です。一枚だけポツンと置いても、警戒心の強いネズミは легко避けてしまいます。壁に沿って、数枚から十数枚を連結させて、「粘着シートの道」を作るイメージで設置しましょう。次に、「毒餌(殺鼠剤)」です。これは、ネズミが好む餌に、殺鼠成分を混ぜたものです。食べたネズミは、すぐには死なず、数日後に巣に戻ってから死ぬため、他のネズミに警戒されにくいというメリットがあります。毒餌にも様々な種類がありますが、特に効果が高いとされるのが、血液を固まりにくくさせる「抗凝固性」の殺鼠剤です。これを食べたネズミは、内出血を起こして徐々に弱っていきます。設置場所は、粘着シートと同様に、ネズミの通り道や、餌場となりやすいキッチンの隅などが効果的です。ただし、毒餌を使用する際には、最大の注意点があります。それは、小さなお子様やペットが、絶対に誤って口にしないように、設置場所に最大限の配慮をすることです。また、毒餌を食べたネズミが、壁の内部や天井裏といった、手の届かない場所で死んでしまうと、その死骸が腐敗し、強烈な悪臭やウジ虫の発生源となるリスクがあることも、覚悟しておく必要があります。
自分でできるネズミ駆除!罠と毒餌の正しい使い方