夏の季節、私たちの家は、様々な種類の「白い虫」たちの侵入の脅威に晒されます。屋外で発生したシロアリの羽アリが光に誘われて網戸に群がったり、湿気を好むコナチャタテが家のどこかで静かに繁殖したり。これらの不快な訪問者を家の中に招き入れないためには、日々の暮らしの中に、ちょっとした「防御の習慣」を取り入れることが非常に効果的です。大がかりな対策は必要ありません。少しの注意と手間で、あなたの家を虫にとって侵入しにくい要塞に変えることができます。まず、最も重要なのが「侵入経路を断つ」ことです。夏場、窓を開けて涼しい風を取り込みたくなりますが、その際は必ず「網戸」を正しく使用しましょう。そして、その網戸に破れやほつれ、サッシとの間に隙間がないかを、シーズンが始まる前に一度、徹底的にチェックしてください。ほんの小さな穴でも、体の小さな虫にとっては十分な入り口となります。市販の補修シールなどで、確実に塞いでおきましょう。また、玄関ドアの開閉時も、虫にとっては絶好の侵入チャンスです。ドアの開閉は素早く行い、長時間開けっ放しにしないことを心がけます。夜間は、玄関の照明に虫が集まりやすいため、必要最低限の時間だけ点灯するようにし、虫が寄りにくいとされるLED照明に交換するのも有効です。次に、室内で発生する白い虫(コナチャタテなど)への対策として、「湿気の管理」を徹底します。夏は、意識しないと室内の湿度が簡単に七十パーセントを超えてしまいます。これは、カビやそれを食べる虫にとって最高の環境です。天気の良い日には積極的に窓を開けて換気を行い、空気の流れを作ります。雨の日や、特に湿度の高い日には、エアコンのドライ機能や除湿機をためらわずに活用しましょう。特に、押し入れやクローゼット、シンクの下といった、空気が滞留しやすい場所には、置き型の除湿剤を設置するのが効果的です。そして、意外な侵入経路となるのが「段ボール」です。通販などで届いた段ボールは、その倉庫で虫や卵が付着している可能性があります。不要な段ボールは家に長期間溜め込まず、速やかに処分する習慣をつけましょう。これらの地道な習慣が、夏の白い虫たちの侵入と繁殖を防ぎ、清潔で快適な住空間を守るための、最も確実な防衛ラインとなるのです。