ゴキブリの糞は、彼らがどこに巣を作り、どのルートを通って活動しているのかを教えてくれる、重要な地図のようなものです。糞が多く見つかる場所を特定することは、彼らの本拠地、すなわち「巣」を突き止めるための、最大のヒントとなります。ゴキブリ対策を効果的に行うためには、彼らが好んで糞をする、家の危険スポットを正確に把握しておくことが不可欠です。ゴキブリが糞をする場所には、いくつかの共通した特徴があります。それは、「巣に近い場所」「餌場に近い場所」、そして「安全な隠れ家の中や通り道」です。これらの条件が揃った場所こそが、私たちが重点的にチェックすべき危険スポットなのです。まず、最も警戒すべきエリアは、やはり「キッチン」です。特に、暖かくて暗く、湿気があり、餌も豊富な「冷蔵庫の裏や下、モーター部分」は、ゴキブリにとって最高の住処であり、糞が集中しやすい最重要危険スポットです。また、「シンク下の収納スペース」や「ガスコンロの内部やその周辺」、「電子レンジや炊飯器といった調理家電の裏側」も、同様の理由で糞が溜まりやすい場所です。食器棚や引き出しの隅に、黒い点々としたシミのような糞が見られる場合も、その内部や奥に巣がある可能性を示唆します。キッチン以外では、「洗面所や脱衣所」といった水回りも要注意です。湿気が多く、髪の毛や石鹸カスといった餌もあるため、「洗面台の下の収納」や「洗濯機の裏」などは、彼らにとって快適な隠れ家となります。意外な盲点となるのが、「テレビやパソコン、Wi-Fiルーターといった家電製品の裏側」です。これらの機器は常に熱を帯びており、冬場でも暖かい快適な空間を提供するため、巣を作られ、その周辺に糞をされるケースが少なくありません。さらに、「本棚の裏や、押し入れの奥に積んだ段ボールの中」なども、暗くて人の動きが少ないため、安全な糞の場所として選ばれます。これらの危険スポットを定期的に点検し、もし糞を発見した場合は、その周辺にベイト剤(毒餌)を設置するのが、最も効果的な駆除戦略となります。糞は、彼らの弱点を教えてくれる、貴重な情報源なのです。