それは去年の秋口、大掃除を兼ねてキッチンの大型冷蔵庫を数年ぶりに動かした時のことでしたが、ホコリにまみれた床の上に、不自然に転がっている数個の茶色い物体を見た瞬間に私の心臓は激しく波打ちました。最初は子供が落としたチョコレート菓子か、あるいはどこからか迷い込んだ植物の種かと思いましたが、手近にあった定規を当ててみると、その大きさは正確に十二ミリメートルほどで、表面には微かな縦の筋模様が入った硬そうな質感をしていました。気になってインターネットで「茶色いカプセル 虫」と検索したところ、画面に現れたのは私が最も恐れていたゴキブリの卵鞘の画像であり、その小豆のような物体が実は数十匹の予備軍を内包したタイム爆弾であるという事実に、私は全身の毛穴が逆立つような戦慄を覚えました。冷蔵庫の裏という、人間が決して手を出さない暗闇と機械の熱が作り出す完璧な保育所の中で、奴らは着々と世代交代の準備を進めていたのです。私はパニックになりながらも、もしこの一センチ程度の物体を見逃して掃除機で吸い取るだけにしていたら、ゴミパックの中で孵化した軍団が再び家中に霧散していたのではないかと想像し、自分の無知さが招くはずだった二次被害の恐ろしさに震えました。私は即座にビニール手袋をはめ、その卵鞘をティッシュで包んで屋外のコンクリートの上で物理的に破壊しましたが、その際に中から現れた複数の卵の跡を見て、改めてゴキブリの卵の大きさの中に凝縮された生命の重みと不気味さを痛感しました。その後、私はキッチンのあらゆる引き出しを抜き出し、懐中電灯を片手に一ミリ単位の隙間を照らし回りましたが、シンクの裏側やガスコンロの奥にも同じサイズ、同じ色のカプセルが数個張り付いているのを発見しました。この経験を通じて私が学んだのは、ゴキブリ対策において成虫を殺すことは氷山の一角に過ぎず、この一センチ前後の小さな「遺産」をいかに徹底的に捜索し、排除するかが勝負の分かれ目であるということです。あの日以来、私は一ヶ月に一度必ず家具の裏を点検し、小豆大の異物がないか目を光らせるようになりましたが、それは恐怖からではなく、自分の住まいを完璧に管理しているという主権者の誇りを取り戻すための儀式となっています。ゴキブリの卵の大きさは、私に住宅管理の死角を教えてくれた厳しい教師のような存在であり、あの不快な発見があったからこそ、今の私の清潔で安心な暮らしがあるのだと、皮肉な感謝とともに毎日を過ごしています。
部屋の隅で見つけた卵の大きさに驚いた日