蜘蛛との不快な遭遇を根本からなくすためには、目の前の蜘蛛を追い出したり、駆除したりするだけでなく、そもそも蜘蛛が「この家には入りたくない」と感じるような、予防策を徹底することが最も重要です。蜘蛛が好む環境を家の中から排除し、侵入経路を物理的に塞ぐことで、彼らにとってあなたの家を、魅力のない、侵入困難な要塞に変えることができます。予防策の柱は、「餌の排除」「隠れ家の排除」「侵入経路の封鎖」の三つです。まず、最も重要なのが「餌の排除」です。蜘蛛が家の中に侵入する最大の目的は、餌となるゴキブリやハエ、ダニといった小虫を探すためです。つまり、これらの餌となる害虫を家から駆-除することが、結果的に蜘蛛を呼び寄せないことに繋がります。食べかすや生ゴミを放置せず、家の中を常に清潔に保ち、ゴキブリ用のベイト剤(毒餌)を設置するなどして、他の害虫の発生を抑制しましょう。餌がなければ、蜘蛛もわざわざ危険を冒してまで家の中に留まる理由がなくなります。次に、「隠れ家の排除」です。蜘蛛は、暗くて狭く、あまり人の動きがない場所を好みます。家具と壁の間は定期的に掃除し、ホコリが溜まらないようにしましょう。また、長期間放置された段ボールは、蜘蛛にとって絶好の隠れ家であり、産卵場所にもなります。不要な段ボールは家に溜め込まず、速やかに処分する習慣をつけましょう。部屋をスッキリと整理整頓し、蜘蛛が身を隠せる場所を減らすことが大切です。そして、最後の仕上げが「侵入経路の封鎖」です。蜘蛛は、私たちが思う以上にわずかな隙間からでも侵入してきます。窓のサッシの隙間や、網戸の破れ、壁に開けられたエアコンの配管用の穴の周り、換気扇、排水口、建物の基礎部分のひび割れなど、家の中と外を繋ぐ可能性のあるあらゆる隙間を、パテやコーキング剤、隙間テープなどを使って徹底的に塞いでしまいましょう。これらの地道な対策を組み合わせることで、蜘蛛との遭遇率を劇的に下げることができるはずです。
家に蜘蛛を寄せ付けないための予防策